県政散歩(1705)
世界中が導火線で結ばれている。ギリシャ債務危機に端を発したユーロ危機は、スペイン大手銀行バンキアの取り付け騒ぎ、信用不安はイタリア、フランスなどに飛び火し、世界経済は深刻な景気後退も予想される。
日本や米国の銀行や保険会社もユーロ建て債権の資産比率を減少させたが、投資先が見つからず、カネあまりの状態。
庶民の貧困が進む一方で、多額の資金が幽霊のように徘徊し投資先を探して経済の破綻を振りまこうとしている。自由主義経済の機能不全。
雇用を改善し庶民が働いて、税金を収めるという基本的な構造が担保されない限り、世界を覆う病癖は改善しない。
翻って神奈川の財政はどうか。神奈川県債(10年)の6月発行、200億円表面利率0・88%。依然として、県債の人気は高く条件に大きな変化はない。県のデフォルトを想起させる「県施設全廃、補助金助成金の凍結」に金融界が反応しないのは、知事の言葉に真実味を感じないのか、それともたとえ県が無くなっても経済的損失が微々たるものと踏んでいるのか。
神奈川県の経済規模はギリシャとほぼ同じGDP25兆円。小さなギリシャが世界恐慌の導火線に火をつけようとしているときに、臨調諸氏の軽率な発言は県民の不安連鎖を誘発しかねない。知事発言が重みをもって受け止められた時が怖い。
2012年7月14日