賃金確定交渉は12月7日から再開

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県労連は、臨時国会が開催されず、給与法法案の閣議決定の見通しがたたない状況にあるため、確定闘争の日程を延期していましたが、各単組の上部団体などからの情報を精査したところ、給与改定通知が12月4日に発文される公算が大きいことから7日に幹事団交渉を設定し、交渉を再開することとしました。

 10月14日に県人事委員会が勧告してから1ヶ月以上経過しています。県労連幹事会は、「速やかな交渉再開」と「遅くとも年内決着」の実現を労務担当局長に強く求めたうえで、止むを得ず交渉日程延期提案を受け入れました。給与改定通知の発文から土日を挟んで翌日の交渉再開となり、また最終交渉日も別記のとおり12月21日と要求が受け入れられた形です。

財源不足理由の値切りは許されない

 10月23日の副知事への賃金確定要求書提出交渉、10月25日の副知事回答交渉で副知事は、平成27年10月15日財第109号通知(平成28年度当初予算の編成について)を示しながら、厳しい財政状況のもとでの賃金確定交渉であり、要求に十分に応えることが厳しい状況であることを強調しています。

 ここ数年、毎年のようにいわれる財源不足ですが、県財政の現状は財政危機といわれるものでしょうか。650億円の財源不足があるとする28年度予算編成方針では、27年度のような「臨時的な財源(26年度からの財源移転580億円)は現時点では見込めない」としていますが、臨時的財源といっても、中心は、県税・地方譲与税、地方交付税・臨時財政対策費であり、その見込みが適正であるかという問題があります。

 現に多くの大企業で今期の利益が前年比増との報道があり、県内を見ても県央部では相次ぐ大規模商業施設の開発などがあって、主要な法人二税だけでなく不動産取得税などでも税収確保、さらに増収が見込めるのではないでしょうか。また、財政基金、県債管理基金にこの2年間で積み立てた積立金の活用は考えないのでしょうか。

ダブルスタンダードの財政評価

 神奈川県のプライマリーバランス(財政収支において、借入金を除く税収などの歳入と過去の借入に対する元利払いを除いた歳出の差)は、27年度予算資料にもあるように、26年度で82億円プラス、27年度予算で587億円のプラスとなり、臨時財政対策債も含めた県債累積額が減少に転じることとなっています。

 このような状況で、県は10月19日、IR資料「神奈川県の財政状況と起債運営」を発表しました。今年も全国の都道府県における県財政状況については、「財政力指数全国第三位。人口一人当たりの地方債現在高は全国で第二位と少ない」とアピールしています。投資家向けには財政は優良とし、県民・職員向けには極めて厳しいとするダブルスタンダードはやめるべきです。

賃金決定ルールにのっとった交渉を

 そもそも賃金決定のルールは、人事委員会勧告と生計費を満たすものとして労使交渉で決めていくものです。人事委員会勧告制度は、私たち公務員の労働基本権の制約の代償措置の一つですから、尊重すべきですし、地方公務員法第24条第1項では、職員の給与決定の際に考慮するものとして、まず生計費をあげています。私たち公務員も公務というサービスを県民に提供する労働者ですが、労働者が提供する労働力商品の価値、使用者が支払う価格(賃金)は、ほかの商品と同じように、その再生産に必要な費用、つまり、労働者の生活費で決まるのです。

 県職労は、財源不足を理由とした給与抑制を認めず、以下の要求項目を掲げ、今期の賃金確定闘争を闘っていきます。組合員のみなさまには、賃金確定期の要求署名がまだの方がいらっしゃいましたら、署名の取り組みをお願いします。また、当局に要求の強さを示すためにも12月16日の総決起集会への参加をお願いします。

 交渉の詳しい日程や、新しい事務分担表導入についての情報は、県職労情報No.1294(学習資料のページ)をご覧ください。

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