2025年県人事委員会勧告に対する県職労連声明

 提案・声明・見解

2025年県人事委員会勧告に対する県職労連声明

公民給与の較差解消の給与引上げは賃金確定交渉で実現

県労連の賃金確定交渉において勧告水準で労使交渉が大綱妥結すると、議会の議決を経て本年4月からの引上げ分が差額として支給されます。「勧告」どおりの水準となれば、4月から翌年3月までの(行政職の)年間平均給与額では+227千円となり、月例給でみると、高卒12,200円、大卒12,000円、主任主事、主査、副主幹、グループリーダー級まで概ね10,000円程度の引上げが行われることになります。

昨年に続く大幅賃上げも生計費原則を顧みない勧告

しかし、本年4月の消費者物価指数の昨年度比で3.0%上昇(横浜市内)する物価高に対し、新採や若年層職員に賃上げの重点を置く一方で、2%台に押さえられた中高年層職員、再任用職員の賃金改善については改定率が逓減されたことによって、物価上昇分にも満たない水準にとどまりました。このように生計費原則を顧みない勧告となったことは満足できるものではありません。

若年層に偏重する結果、「給与カーブのフラット化」は健在な状況であり、地域手当も特別区20%、横浜川崎等16%と地域間格差を埋められておらず、行政ニーズに見合う人材確保の困難な状況が改善するとは思えません。

官民較差算出の比較企業規模見直しは不十分

国は過去に引き下げた比較企業規模について、行政課題の複雑化・多様化や今日の厳しい人材獲得競争を踏まえる等の理由から、比較対象企業規模について従来の50人以上を、100人以上とする見直しをしたことを受け、県人事委員会も実施。これにより当県と国の地方支分部局とは同水準ではあるものの、本府省職員においては、東京23区に所在する企業規模500人以上を、1000人以上に引き上げたことをみると、人材確保の困難性は本府省のみでなく、私たち地方公務員も同様です。そうした実態を踏まえれば、今回の見直しも不十分といえます。比較企業規模のさらなる見直しも視野に民間較差の解消を図り、「外部労働市場と比較して見劣りしない報酬水準」を実現すべきです。

自動車等使用者に対する通勤手当等への配慮を

自動車等使用者に対する通勤手当については、定められた区分に応じた定額としている。車の維持費を除けば、通勤距離に応じたガソリン価格の影響が主になるが、少なくとも旅費制度の見直し(1㎞15円→18円)も勘案して、通勤手当についても見直されるべきです。また、駐車場の費用を負担している場合などにおいては実費弁償となるようにしていく必要があります。

高年齢層の賃金給与改善問題は解消せず

これまで2021年勧告で給与カーブ見直しを行い50歳以降の賃金水準を引下げました。さらに55歳越えの昇給停止、定年延長で60歳までの7割に下げるとともに、同じ働き方をしている再任用職員は60歳までの5割近くに据え置く「均等待遇の原則」に反している課題に対して解消していません。再任用職員については、月例給の引上げや、一時金が常勤職員と同様+0.05月の改善となったものの、そもそも支給月数が常勤職員の約半分に抑えられている実態は解消しているとはいえず、定年引上げに見合った高齢層職員の処遇改善が必要です。

能力・実績主義の強化ではなく、本県の実情を

県人勧では、公務運営について「人材の確保・育成」に触れていますが、新しいことはほぼなく、あたり障りのない勧告内容と言わざるを得ません。

国が示す「給与制度アップデート」は、一部成績優秀者の処遇を手厚くする一方で、現場で汗する多くの公務労働者の賃金・労働条件を抑制する狙いがあり、成績優秀者への勤勉手当の引上げ、昇給運用にも差を設ける内容のものです。しかし、私たち自治体労働者は、コロナ禍や相次ぐ災害への対応を「職員一丸」で乗り越えてきました。最近では豪雨災害などの自然災害も増えている中で、自治体・医療職場に職員分断をまねく「能力・実績主義」強化は、職場運営にむしろマイナスではないでしょうか。労使でつくってきた「真面目コツコツをきちんと評価する」「いたずらに差をつけない」人事評価を「本県の実情」として考慮すべきです。

長時間労働の解消のため抜本的な人員増 ハラスメントの解消を

県人勧では、任命権者に対して新たな「働き方改革取組方針」に掲げる長時間労働を是正するための取組を強力に推進していくことを要請」としていますが、条例・規則で定めた時間外上限時間を超える職員を単に抑制するような動きが見受けられ、ハラスメントも増加しています。職員の心身の健康に重大な支障が続く状況において、第三者機関としての主体的な役割を発揮しているとはいえません。定員そのものが不足している上に、慢性的な欠員が生じており、長時間過密労働の実態は改善されません。行政や医療・福祉などの分野における脆弱さが露呈するとともに、長時間過密労働が押しつけられている実態を改善するには、抜本的な人員増が不可欠です。

生活改善につながる賃金・労働条件改善を勝ち取ろう

来年度予算は概ね500億円の財源不足や賃金改定による影響額156億円と言われる中で、例年以上に厳しい労使交渉が想定されます。私たちが職場から声をあげなければ要求実現はできません、まずは、勧告内容の学習と討議をすすめ職場と生活実態に基づく要求を出し合いながら、批准投票や署名活動など、職場を基礎に取組みを進めていきましょう。

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