事実誤認に基づく横浜地裁の不当決定に断固抗議する!

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「神奈川フィル不当解雇、撤回させよう!」トップ

―上司が決めれば解雇自由の理不尽な社会でいいのか―

 12月20日、横浜地裁第7民事部の新谷祐子裁判官は、神奈川フィルの杉本さん、布施木さんの地位保全賃金仮払仮処分命令申立を却下する決定を出しました。

 この決定は、神奈川フィル当局の主張のみを一方的・全面的に採用し、争点となっている事実・実態を何ら検証せず、事実誤認に基づく極めて不当・異例な驚くべき決定です。

 神奈川フィルで約30年にわたり演奏活動を続けてきた2人に対して、2012年4月11日付の解雇通知が出されました。2人に共通する最大の解雇理由として「演奏技術が著しく低く、それについて指揮者から指摘を受けていること」が挙げられていました。ところが、新谷祐子裁判官は、何ら具体的な事実の検証を行わず、神奈川フィル当局の具体性に欠ける抽象的な主張のみを一方的に採用し決定を出しました。

 本来、演奏技術の低さや態度の悪さを理由として解雇を行うのであれば、具体的な事実の指摘をもって、演奏技術の低さや態度の悪さを認定しなくてはなりません。それにもかかわらず、裁判官は、何をもって技術が低いと判断したのか示さず、具体的な指摘を欠く神奈川フィル当局の抽象的な主張を、そのまま解雇理由として採用しました。

 しかも、裁判官は、神奈川フィル当局の主張を採用するにあたり、複数の指揮者の指摘を根拠としていますが、常任指揮者の金聖響氏の書いた「技量の程度がプロの団体で活動するに及ばない、第九演奏会中の態度や言動がチームワークを乱し、敵意すら感じる」という極めて主観的な意見を、「演奏技術の低さや態度の悪さを指摘されるような問題は無い」「第九公演は何の問題もなく終わり、金氏からは何の注意も指摘もなかった。」という複数楽員の陳述を全く無視し、何の検証もなく鵜呑みにしています。

 また、客演の沼尻指揮者からは陳述書が提出されていないことから、「沼尻指揮者がそのように言ったと聞いた」という神奈川フィル側の伝聞の陳述書に基づいて事実認定を行っています。これは沼尻指揮者が杉本さん、布施木さんについて問題を指摘するきっかけとなったとされている平成22年3月27日公演のオペラについて「アイーダ」と楽団当局が明白に誤って記載している点さえもそのままに、裁判所が決定書に書き写している点からも明確です。

 演奏技術の低さや態度の悪さを理由として解雇するのであれば、具体的な事実の指摘をもって、演奏技術の低さや態度の悪さを認定し、かつ、改善の努力が見られなかった場合に初めて解雇は有効となるものです。今回の裁判所の決定は、指揮者が演奏家について、能力が無い、態度が悪いと言ってさえいれば、さらにそれが伝聞であっても解雇を有効と認める決定であり、例えて言うなら、上司が部下について能力が無い、態度が悪いと言ってさえいれば解雇を有効と認めるに等しい、極めて不当な決定です。

 杉本さん、布施木さんからは、神奈川フィルの元コンサートマスターをはじめ、複数の演奏家が、2人には演奏技術の低さや態度の悪さを指摘されるような問題は無いことを述べる陳述書を提出しました。しかし、裁判官は債権者らの主張については何ら検証せず、私たちの主張を無視しました。

 これから、東京高裁への抗告、横浜地裁への本訴、県労働委員会での不当労働行為救済手続と闘いは続きます。もっともっと大きな構えで世論に訴え、裁判所内・外の闘いを強める決意です。これまでのご支援に感謝するとともに、引き続くご支援をよろしくお願いします。

杉本さん布施木さんの解雇を撤回させ神奈フィルを良くする会
【連 絡 先】神奈川自治労連気付TEL 045-212-3179


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