神奈川フィル不当解雇事件 東京高裁で抗告棄却 ―オーケストラの伝統を壊し、労働組合活動を嫌悪した不当な決定に抗議する―

 提案・声明・見解

声明

「神奈川フィル不当解雇、撤回させよう!」トップ

 3月26日、東京高裁第8民事部の髙世三郎裁判長は、神奈川フィルの杉本さん、布施木さんの地位保全賃金仮払仮処分命令申立を却下する決定を出しました。

 わたしたちは、①今回の解雇は神奈川フィル当局が2人と神奈川フィル分会を嫌悪し、指揮者の指摘を悪用し、計画的に解雇を仕組んだこと、②2人は神奈川フィルで約30年間、コントラバス奏者として数多の演奏に参加してきたが、演奏技術の低さや態度の悪さを指揮者や同僚、さらには聴衆などから指摘されたことは無いことを裁判所に主張してきました。

 楽員が主体となって日常的な音楽をつくることや、指揮者が勝手に楽員を入れ替えはできないというのがオーケストラ界の伝統です。日本ではこれまで演奏技術の低さや態度の悪さを理由にした解雇はありませんでした。

 しかし、東京高裁の決定は、横浜地裁と同様に神奈川フィル当局の主張のみを一方的・全面的に採用したものです。わたしたちの主張については何ら検証せず無視するとともに、争点となっている事実・実態を独自の検証もせず、横浜地裁命令を引き写した手抜きによる不当な決定であり、あらためて抗議の意を表明します。問題の本質は、労働組合の弱体化を狙い、中心になって活動している組合役員を追い出すためのもので、合理的理由も社会通念上の相当性もない不当なものです。

 神奈川フィルで約30年にわたり演奏活動を続けてきた2人は神奈川県の第3セクター職員などで構成する公務公共一般労働組合神奈川フィルハーモニー管弦楽団分会の組合員です。杉本さんは県公務公共一般労組の副委員長として、布施木さんは同労組執行委員として楽員の要求を前進させてきました。2人の解雇は、就業規則を恣意的に適用し、音楽家も入っていない評価委員会を経て、理事会で決定し、昨年4月11日付で実施されました。

 横浜地裁及び東京高裁の決定は、指揮者が演奏家に文句をつければ、さらにそれが伝聞であっても解雇を有効と認めるものです。演奏環境を良くするために活動してきた組合役員を解雇することにより、更なる労働条件の切り下げが行われ、利益優先で演奏技術向上がないがしろにされます。このような解雇を許せば演奏家は安心して演奏に打ち込めないし、神奈川フィルのオーケストラとしての魅力が低下し、オーケストラの伝統が壊され、国内のオーケストラに属する演奏家の音楽生命は脅かされ、豊かな文化芸術を創造することができない国になってしまいます。

 この間、地元旭区をはじめ県内や全国の仲間が支援し、1万6千筆を超える署名や8百名を超す人々が会員になり運動を支えています。これから、横浜地裁への本訴、県労働委員会での不当労働行為救済手続と闘いは続きます。二人を一刻も早く職場に戻し、楽団側の不正常な運営を正し、神奈川フィルをこれからも一層県民から親しまれ県民の宝となるような楽団にしていきたいと考えています。この運動の輪をさらに広めてくださいますよう、これまでのご支援に感謝するとともに、引き続くご支援をよろしくお願いします。

杉本さん布施木さんの解雇を撤回させ神奈フィルを良くする会 事務局長 蓮池幸雄
【連 絡 先】神奈川自治労連気付TEL 045-212-3179


« »