県労連賃金確定闘争第1回幹事団交渉結果

 ニュース 賃金確定

◆公民較差は初任給・扶養手当で解消を!

◆30~40歳代職員の意欲も低下させる50歳代後半層の昇給昇格抑制は撤回を!

 10月29日、県労連は今年度の実質的な交渉のスタートとなる賃金確定闘争幹事団交渉を行いました。

 交渉で労務統括官は、給与削減による「協力」に感謝するも、昨年に続き県の財政危機を強調し、県民への影響を理由に、298円のプラス格差があるも人事委員会報告に基づく給料表「改定なし」、55歳超職員の昇給・昇格抑制、特殊勤務手当の見直しなどのマイナス提案や福利厚生、休暇制度等の改善をはからない、職員への負担を強いる提案に終始しました。

 このままの回答水準では到底認めることはできません。職場での報告会(分会集会)を開催するとともに、ストライキ批准投票を成功させ、未加入組合員にも呼びかけ、要求署名を積み上げ、職場の怒り・要求の強さを示していきましょう。

【当局回答の問題点】

1 298円のプラス官民較差は埋める努力を

 労務統括官から「月例給の公民較差は0.07%(298円)と僅差であることから給料表改定は見送る。」という人事委員会報告に基づいた回答がありました。

 昨年は民間より公務が245円「高い」(格差0.06%)という今年よりも小さい「幅」でありながら、「自宅に係る住居手当」の廃止があったにせよその中で格差を「是正」しました。当局の都合の良い削減はやりながら、私たち職員に「有利」になることは実行しない「いいとこ取り」は認められません。

 千葉県ではプラス0.09%の較差で、初任給を中心に若年層に限定して給料表の引上げを打ち出す勧告が行われています。また、給料表の改定をしなくても較差を埋める手段として、扶養手当などの手当に振り分けることも可能です。

 度重なる人員削減によって過重な労働を強いられ、給与も削減という二重三重に職員に負担をかけている今、職員の「やる気・モチベーション」を維持するのが困難になっています。新規採用者が辞退する、若い世代が神奈川県に定着しないなど、今後の県政運営に大きな支障をきたしかねない状況があります。このプラス格差を使ってモチベーションアップにつながる改善をはかることが必要です。

2 50歳代後半職員の昇給・昇格抑制は30~40歳代の意欲も低下させる

 労務統括官から「昨年の人事委員会の報告で50歳代後半の昇給昇格制度改正にあたっては、国家公務員の改正にならうことが適当。昇給については人事院の報告、勧告の内容に留意し、本県の実情を考慮して改正することが適当とした。国は2013年8月に昇格、2014年1月から昇給制度を改正。これを踏まえ県においても2014年1月から55歳をこえる職員は標準の成績では昇給せず、「特に良好」以上の場合は1号に抑制。2014年4月から高位の号給から昇格した場合の月額の増加額を縮減する」との回答がありました。

 背景には50歳代後半層が民間と比較して給与が「高い」としていることによりますが、公務員の賃金水準は初任給も低くさらに30代後半から40歳代の伸びも民間に比較して低く抑えられています。そうした中で50歳代の職員はそれまで培った知識を用いて円滑な業務遂行を行い、次の神奈川県庁を担う若手に仕事を伝えるなどの「現役」職員として活躍しているなかで、一定の給与水準を維持しているのです。採用から退職までの生涯賃金や仕事のあり方の議論を抜きに「高い」ところだけに注目する手法は断じて認められません。

 昨年からの給与削減、退職手当削減、公的年金の支給が遅くなる上、30代後半層からの昇給・昇格抑制が進む中で、50歳代後半層給与抑制は、当事者のみならず30~40歳代の生涯賃金に大きな影響を及ぼします。実態を踏まえない安易な賃金抑制策には断固として反対して行きます。

3 諸権利について「プラス」要素がないことは認められない

 労務統括官から「地域手当は引き続き10%」、「全ての手当についてゼロベースで見直す必要あり。特殊勤務手当は前回の見直しから7年を経過し、この間の社会状況の変化を踏まえて内容を見直す必要。」、「福利厚生はこれまでに役割分担の見直し、補助の対象などを見直した。」、「メンタルヘルスに関する職場リハビリは公務でないと整理した。通勤手当等の支給はできないものと考えている。」、「非正規職員の給与・労働条件について職場実態も踏まえ対策を行ってきた。給与・報酬については予算の制約、休暇・条件については職場運営への影響や常勤職員との均衡からご理解いただきたい。」と諸権利に関して全くの「プラス」回答が得られませんでした。 財政危機を理由に、これまで給与独自削減、人員削減を行ってきました。それだけでなく、諸権利について全く「プラス」要素がないことは、職員全体の働く意欲低下だけでなく、若い人々が「就職先」として「神奈川県」が選択肢から外れる事態になりかねません。職員が安心して働くため、勤務の実態に応じた諸権利を整備することが最重要です。

回答内容など、詳しい情報は、県職労情報1257号(学習資料のページ)をご覧ください。

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