県人事委員会勧告に対する県職労連声明

 提案・声明・見解

声明

4年連続の月例給・一時金・地域手当の引き上げ勧告。非正規労働者含むすべての職員の給与改善を求めて賃金確定をたたかおう

 県人事委員会は10月17日、県議会議長及び知事に対し「職員の給与等に関する報告及び給与改定に関する勧告」を行いました。

 その概要は、公民較差(民間給与実態調査の結果、県職員が民間より下回っているとされる給与等の額)505円(0.13%)を月例給引上げで解消。一時金の0.10月較差も勤勉手当で解消するというものです。

  • 月例給較差(0.13%505円)を、初任給・若年層1,000円引き上げ、他400円引き上げを基本に給料表改善
  • 一時金引き上げ(0.1月)4.30月⇒4.40月
  • 来年度、地域手当の引上げ0.1%、11.9%へ

民間春闘の結果を受け4年連続の賃上げ勧告

 2017民間春闘において、「最低賃金引上げ」と「公的受注単価引上げ」を背景に、中小企業で昨年を上回る「賃上げ」回答を引き出し、全体としても昨年水準は下回わったものの「賃上げ」を勝ち取ってきた結果が、4年連続のプラス勧告に結びついたといえます。

 改めて、「最低賃金引上げ」と「公契約条例制定」、そして官民一体となった春闘の取組みの重要性が明らかになるとともに、全労連、春闘共闘、神奈川労連の運動への結集が求められています。

生活改善にはつながらない低水準の引上げ

 しかし、公民較差505円のうち給与改定等に配分された額は467円(給料表418円、跳ね返り分49円)と、38円は給与改善にあてられず積残され「公民較差の解消」とはなっていません。

 さらに引上げ水準は、共済掛金の引上げなど社会保障や教育関連の負担が増え、標準生計費(県人事委員会報告資料)が28400円(13.40%、4人世帯の場合)も増えている生活実態を踏まえると、決して生活改善に結びつくものとはなっていません。

若年者重視の配分で初任給は1,000円引上げ

 給料表への配分では、国勧告に準じて初任給を1,000円引上げるなど20歳台を中心とした若年層に厚めに配分するとともに40歳台以降は400円の引上げとなりました。国勧告に比べ少ない較差原資のなかで実現できたのは、給料表の改定全額が実質賃上げとならない現給保障者が3割(2017年4月現在)もいるという事情もありますが、人材確保の観点から県労連(県職労、神教組、高教組、公企労、自治労県職)が、初任給水準の大幅な引上げを求めた結果とも見ることができます。

地域手当は据置き。給与制度総合的見直完成時水準を12%と13%から値切り

 この3割の現給保障は2014年度の給与制度総合的見直しによる給料表の大幅引下げにより生じたものですが、その削減較差を埋める調整弁であり、誰もが手取賃金増額となる「地域手当」については、2017年度は改定が行われませんでした。

 給料表を引上げた残りの財源が僅かであり(37円)、「地域手当」(現行11.8%)に配分できなかった(0.1%の引上げ財源に351円必要)こともありますが、横浜市や川崎市が16%のなかで、神奈川県の水準はきわめて低いものとなっています。

 給与制度総合的見直しが完成し、経過措置(現給保障措置)がなくなる2019年度の地域手当水準に関連して、2014年度県人事委員会報告では「13%を上限に段階的に設定する」としていましたが、今回の報告では2018年度に11.9%、2019年度に12%とし「13%」という水準は、実質的に反故にされました。

総労働時間短縮では県版「働き方改革」を追認

 勧告・報告では、このほかに総労働時間短縮の推進や非常勤職員の賃金・労働条件の改善について触れています。

 非常勤職員については、地方自治法・地方公務員法の改正を踏まえ、処遇改善に向けた検討を求めるなど前進した内容がありますが、総労働時間短縮では、不払い残業の解消を含む勤務時間管理の徹底や人員増など具体的な指摘はなく、県庁版「働き方改革」を見守る内容にとどまっています。

 また月45時間を越える時間外に対する割増率についても民間事業所の50%が130%(深夜を除き県は125%)となっているのもかかわらず、勧告等では触れておらず、労働時間短縮に対する労働基準監督署としての役割を果たしていないといわざるを得ません。

職場の仲間を組合に誘い、大きな数の力で要求前進を

 総選挙の影響を受け、国家公務員の給与改定に関する閣議決定が遅れており、今期の賃金確定闘争は厳しい展開が予想されます。

 県職労は県労連の仲間とともに、県人事委員会勧告の完全実施、総労働時間短縮、非常勤・臨時任用職員の賃金労働条件の改善など、切実な職場要求の実現に向けた取組みを、すべての組合員、職場の仲間とともにすすめていきます。

 数の力が要求の前進を生みます。賃金確定闘争の中で、ぜひ多くの仲間が組合に加入されるよう訴えます。

報告・勧告の概要、勧告に基づく想定給料表など詳しい情報は、県職労連情報No.94(学習資料のページ)をご覧ください。


« »